1:発熱 乳児期に発症し、発熱は4~6日持続します。
2:皮疹 発熱に伴って皮疹が認められます。
3:腹痛 患者さんの約80%に激しい腹痛がみられます。
4:関節症状 患者さんの約70%に関節痛や関節炎が認められ、一般的に関節破壊は認められません。
5:その他 頭痛・嘔吐・下痢・腹痛・リンパ節腫脹・肝脾腫・アフタ性口内炎を伴うことがあります。
1:一般的な血液検査
発熱発作時に、白血球数とCRPが著明に上昇します。血清IgDとIgAが年齢とともに上昇してくることが多いです。しかし、日本の症例の殆どはIgDは正常で、後述するメバロン酸キナーゼの活性によって診断・除外を行う必要があります。
2:発熱時の尿中メバロン酸測定
発熱発作時に尿中メバロン酸が高値を示します。メバロン酸は非常に不安定な物質で、検査は複数回行うのが望ましいとされています。
3:MVK遺伝子検査
メバロン酸キナーゼをコードする遺伝子を解析します。変異を全く認めない場合はHIDSは除外されます。変異を認めた場合は、Cのメバロン酸キナーゼの酵素活性を測定し、確定診断を行います。
4:メバロン酸キナーゼの酵素活性測定
HIDSの確定診断と除外診断を行う上で、最も確実な検査です。HIDSの重症例では酵素活性が1%未満に、軽症例では1~10%に低下しています。
1:スタチン
HMG-CoA還元酵素の阻害薬で、コレステロール生合成を抑制し、高コレステロール血症の治療に用いられる薬です。HIDSの患者さんではコレステロール生合成に障害があり、スタチンを服用すると症状が悪化するのではと考えられるのですが、経験上、スタチンは一部の患者さんにスタチンが有効であることが分かっています。最近では、ゲラニルゲラニルピロリン酸の短期的不足に対して、ゲラニルゲラニオールを補充する治療が検討されています。
2:副腎皮質ステロイド
発熱発作が起こった時に、短期的に使用します。
3:イラリス
IL-1βを阻害する薬です。
4:エタネルセプト
TNFαとTNFβを阻害する薬です。
5:造血幹細胞移植
重症例で造血幹細胞移植が行うことがあります。