発作早期にプレドニゾロン(PSL)を開始し、症状をみながら減量して7〜10 日間で終了する方法が推奨されています。しかし発作を繰り返すごとに効果が減弱し、増量が必要となったり、依存状態となる症例が報告されています。他に非ステロイド抗炎症剤(NSAIDs)は発熱、疼痛の緩和に一定の効果が期待されます。難治性症例やステロイドの限界量を超えている症例には、抗 TNF 製剤(エタネルセプト)や 抗IL-1β製剤カナキヌマブ(イラリス) が適応となり発作の消失例が報告されています
1:プレドニン(一般名プレドニゾロン):副腎皮質ステロイドと呼ばれる薬です。発熱発作に対して非常に高い効果がありますが、発熱発作を予防することはできないようです。発熱発作が起こった時に、プレドニンを1mg/kg/日より開始し、7〜10日かけて減量するのが一般的です。副腎皮質ステロイド一般に言えることですが、急に服薬を中止すると、病気が悪化したり薬の副作用が現れるので、必ず医師の指示通りに使用してください。
2:イラリス(一般名カナキヌマブ):IL-1受容体拮抗薬と呼ばれる薬です。2016年12月に保険適応されました。それまではエンブレル、レミケード、アクテムラといった生物学的製剤が使われていましたがイラリスの登場でステロイドに次ぐ選択肢となりました。
3:エンブレル(一般名エタネルセプト):TNF阻害薬。発熱発作に対して効果があるだけでなく発作の頻度を減少させるため、イラリスが登場するまでTRAPSの特効薬として使用されていました。成人では25mgを週に2回投与します。副作用として結核などの感染症にかかりやすくなるため、感染予防に努め定期検査を行います。
4:レミケード(一般名インフリキシマブ):TNF阻害薬
5:アクテムラ(一般名トシリズマブ):IL-6受容体拮抗薬
6:ネオーラル(一般名シクロスポリン)、プログラフ(一般名タクロリムス):免疫抑制剤の一種で、T細胞の働きを抑えます。TRAPSで効果があったとの報告があります。
※一般的にコルヒチンに対する反応性は悪く、家族性地中海熱との鑑別において診断の手掛かりになります。