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よくある質問・FAQ

新着質問・更新情報


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自己炎症について

Q1:「自己炎症疾患ってどんな病気?
A:生まれつき炎症を調整する遺伝子に異常があるために炎症をコントロールできない病気です 。人間は生まれつき「自然免疫」という免疫を持っています。この自然免疫は体内に侵入した病原体や感染に対してただちに攻撃し排除しようと防御する働きを持っています。自己炎症疾患の患者さんは主に遺伝子に変異がある為この自然免疫の制御が上手くできません。外部からの侵入を排除するために起こる炎症反応を上手く調整できないので、全く感染もしていないのに遺伝子が「感染した」と勘違いして炎症を起こすスイッチをいれてしまい自分自身を攻撃してしまいます。炎症は「発熱・発赤・腫脹・疼痛・機能障害」を起こします。その為に自己炎症疾患の患者さんは周期的な発熱を繰り返したり、関節が脹れて痛くなったりといった症状を起こしますが遺伝子が「病原体の排除完了」と満足すれば炎症終了となります。発作の予感がわかったり、発作を誘発する事柄なども一部わかってきていますが「いつ炎症発作が起こるか、いつ終わるか」は正直言うと患者本人にもわからない、まさに遺伝子のみぞ知る病気です。

Q2:「自己炎症疾患は発熱症状があるけれど感染するの?」
A:感染症ではないので感染しません!
自己炎症疾患の発熱は炎症を調整する遺伝子に異常があるためにおこる発熱です。ウイルスなど外部からの干渉による発熱ではないので周囲に感染する事はありません。同じ発熱でも、風邪などの感染症のような感冒症状(咳・鼻水など)がないのも特徴です。インフルエンザ、コロナの感染を疑われることも多々ありますが症状が違うのでわかります。

Q3:「自己炎症疾患は公費助成が受けられますか?」
A:難病新制度にて助成が受けられる指定難病に承認されている疾患もあります
自己炎症疾患は原発性免疫不全症(以下、PID)に分類される新しい疾患です。PIDは特定疾患治療研究事業に指定されているので医療費の公費負担対象ですが、自己炎症性疾患は発見されてから歴史が浅いためにまだすべて自己炎症疾患が公費負担の対象になっていませんでした。しかし2015年度より施行された難病の新制度では自己炎症疾患各疾患についても検討され、新しく指定難病に承認された疾患があります。承認された疾患の助成に関してはTRAPS、CAPSは2015年2月〜助成が始まっています。また新たに認定された家族性地中海熱、高IgD症候群(HIDS/MKD)、PAPA症候群他に関しては2015年7月〜の助成開始となります。
医療費の公費助成対象になる疾患は小児慢性特定疾病(小児対象)と特定疾患(成人対象)の2つがあります。小児期の難病に対しては原則18歳未満を対象としている小児慢性特定疾患克服研究事業があり、2015年1月1日より自己炎症疾患(PFAPAを除く)が公費助成対象となりました。また新しく遺伝性自己炎症疾患からA20ハプロ不全症などが公費助成対象となりました。

Q4:自己炎症性疾患は完治するの?
A:残念ながら治すこと(完治)はできません
自己炎症疾患の多くは遺伝子変異によるものが主な原因です。もって生まれた遺伝子自体を変えることはできないため、残念ながら今の医学では治すことはできません。
しかしPFAPA症候群など非遺伝性の自己炎症疾患に関しては年齢と共に自然寛解する事もあります。


妊娠・出産

Q1:妊娠出産はできますか?
A:妊娠出産は可能です!子供が欲しい方は主治医と相談を!!
自己炎症疾患を患っていても妊娠出産は可能です。ただし年齢状況問わずハイリスク扱いになりますので主治医や各科の先生の連携協力が必要になります。また服用している薬によっては妊娠前に休薬の必要があったり、妊娠中の服用にも注意が必要になります。例えばFMF当事者の場合では薬の副作用が怖いからと自己判断で休薬してしまうとリバウンドや発作時に流産のリスクが高まることもありますので主治医の先生とよく相談してください。

日常生活

Q1:日常生活で気を付けることはありますか?
A:日常生活上の制限はありませんが、発作を誘発する物には気を付けて! 】
自己炎症疾患は自然免疫の調整が出来ず炎症を起こしてしまう病気です。他の難病とは違い発作がない時は健康そのものなので食事制限、行動制限など日常生活上での制限を受ける事はほとんどありません。
しかし「ストレス」「月経」「高脂質食」「日光」など疾患によって発作を誘発しやすいとされている事柄はありますので、少し気を付けるよう心がけるといいかもしれません。


ワクチン・予防接種

 

家族性地中海熱(FMF)について

       

PFAPA症候群について

     

受診の悩み

Q1:急に体調が悪くなったら・・
A: 専門医とかかりつけ医、2人の主治医をもちましょう。
急な体調悪化や発作時はすごく不安で心配になりますよね。「本当は専門医の先生や主治医に診てもらいたいけれど病院が遠い」「発作時は痛みで動けないから受診できない」という方も多いと思います。そんな時の為に専門医だけでなく、身近な病院でかかりつけ医を見つけましょう。専門医の先生は大学病院の先生であることがほとんどです。急に受診しても診察できない可能性も…。そんな時に役に立つのが近所のかかりつけ医です。ただし、かかりつけ医はどこの誰でもいいとは限りません。かかりつけ医を用意する時に大切なことは、専門医のいる大学病院と病診連携が取れるかどうかです。専門医に相談して、身近にある病診連携が可能な病院を紹介してもらってください。

Q2:診察の時、上手く伝えられないです

A:


治療に関する質問

 

就学就職

 

Q1:自己炎症の治療にはどんな薬を使いますか?
A:それぞれの疾患で効果のある薬が分かれるので、どの薬が有効だったかにより診断の助けとなる場合があります。

 疾患名  有効とされる治療薬
 家族性地中海熱(FMF) コルヒチン、コルヒチン抵抗性FMFに対してはカナキヌマブ(IL-1製剤イラリス生物)
※2021年にアクテムラの治験は効果なしと判定され終了しました。が、2023年条件付きで効果ありとの報告がありました
 TRAPS ステロイド、カナキヌマブ(IL-1製剤イラリス生物)
 HIDS(MKD) ステロイド、カナキヌマブ(IL-1製剤イラリス生物)
 PAPA症候群 ステロイド、生物学的製剤(カナキヌマブIL-1製剤イラリス生物、インフリキシマブ、アダリムマブ)
 PFAPA症候群
(周期性発熱症候群)
 ステロイド、H2ブロッカー
 CAPS3疾患  ステロイド、生物学的製剤(カナキヌマブ(IL-1製剤イラリス生物))

生物学的製剤に関しては海外ではアナキンラ、リロナセプトなどの抗IL-1β製剤が使われていますが、日本国内では未承認のため保険適応がなく現在は使用できない状態です。
唯一承認を受けているのは「カナキヌマブ(IL-1製剤イラリス)」のみとなります。

診断

Q1:本当に自己炎症疾患なのか、他の病気ではないか不安です
A:自己炎症疾患の研究をしている先生方はほとんどが小児科の先生なので、成人患者産の中には専門医の診察を受けたことがない方や一度も話したことがない方が多いと思います。これは元々、自己炎症疾患の特徴である周期性発熱が小児の病気であると考えられていたからです。しかし研究が進むにつれ小児だけでなく成人でも発症する事がわかりました。また研究が進んだ事で長年原因がわからず「不明熱」とされてきた多くの成人患者がいることがわかりました。自己炎症疾患という病気が1999年に発見されてから15年。まだまだ新しい疾患であり認知度も低い為、成人の場合いきなり小児科の専門医を受診しようと考えることはまずないと思います。
自己炎症性疾患の多くはたいていどんな病気でもあてはまってしまうという厄介なものです。あなたが成人の場合、まずは不明熱の診断に強い総合診療科の受診をお勧めします。不明熱の原因には自己免疫疾患、膠原病、感染症、悪性腫瘍など多くの原因があります。まずは不明熱の原因を探り識別を行う事から始まります。そのすべてを否定された時に考えられる最後の可能性が自己炎症疾患となります。この識別の部分が不十分のまま自己炎症性疾患の診断を受け、後に診断名修正となる方が本当に多くいます。まずは識別をしっかり行うことが重要です。ここ2年ほどで、不明熱の精査に強い成人科の先生たちが自己炎症班に協力をして成人の診断治療を行うようになってきました。診断に不安があるときはぜひそうした研究班協力医師の診察を受けてみてください。患者会では成人科で自己炎症の診断に強い先生たちのご案内もしていますのでご連絡いただきありがとうございます。


2015年〜2022年まで実際にあった誤診後の診断名修正の一覧は以下の通りです

  識別が難しい、不十分でのちに診断名修正となった疾患と診断名 
 家族性地中海熱 線維筋痛症、慢性疲労症候群、炎症性腸炎、好酸球性消化器疾患、ベーチェット、SLE、橋本病
子宮内膜症、月経前困難症、精神疾患(服用中の薬剤の影響によって識別が難しい)、猫ひっかき病
 TRAPS  線維筋痛症、慢性疲労症候群
 PFAPA  家族性地中海熱、CAPS、連鎖球菌、
   
   


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