確定した治療法はありませんが、本来は予後良好な病気なので発熱を抑制・短縮させ、QOLを保つための治療が原則となります
1:H2ブロッカー
a)ガスター
最近では多くの医療機関でガスターが使われています。市販のものでも同じ効果があるとされています。
b) タガメット(一般名:シメチジン)
H2ブロッカーに分類される薬で、本来は胃薬として使用されます。タガメットには、Th1へ過剰に傾いた免疫をTh2へ戻すような免疫調節作用があり、PFAPA症候群の約60%に効果があります。15~20mg/kg/日を分2〜3で予防的に投与します。
2:副腎皮質ステロイド(プレドニン)
発熱発作の初期にプレドニンを0.5~1mg/kgを1回ないし2回投与すると、12~24時間以内に症状は劇的に改善します。プレドニンが良く効くかどうかは、他の自己炎症疾患と区別をするうえで大きな参考になります。
3:非ステロイド性抗炎症薬
アスピリンやイブプロフェンを使用しますが、副腎皮質ステロイド程の効果はありません。
4:コルヒチン
家族性地中海熱や痛風に使われる薬ですが、PFAPAに対しても有効性のある症例が見つかっています。
5:扁桃摘出術、アデノイド切除術
上で述べた薬を使用しても症状が改善しない場合に、外科的に喉の奥にある扁桃腺やアデノイドを切り取ります。患者さんの60%以上に効果がありますが、しばしば再発することもあり「完全な治療法」とはいえません。
6:イラリス
他にも喘息薬「シングレア」「ファモチジン」「オノン」、漢方(小建中湯)、γグロブリンなどが有効だった症例もありますが何が効くかは個人差も大きいようです。また各種抗菌剤、抗生剤は多くの場合効果が認められません。